7月7日は、古くから日本の伝統行事として親しまれている七夕の日です。毎年やってくるイベントながら、今年の七夕の食事は何を食べようか、お子さんとどのように過ごそうか、悩んでいるワーキングマザーも多いのではないでしょうか。
この記事では、七夕の由来や意味、伝統的に食べられてきた食事と子供も楽しめるアレンジメニューについて紹介します。
7月7日は七夕の日として知られていますが、七夕が年間行事として広まり、定着していった背景などをご紹介します。
織姫と彦星の物語
織姫と彦星の物語は、中国の神話である「牛郎織女(ぎゅうろうしょくじょ)」が由来の1つといわれています。天帝の娘で機織りが得意な織姫と、牛飼いの彦星は、夫婦になった途端、互いに夢中になるあまり、働かずに遊んで過ごすようになります。
それを見て怒った天帝は、二人を天の川の両端に引き離し、一年に一度、7月7日の夜にだけ会うことを許したと伝えられています。織姫が「こと座のベガ」、彦星が「わし座のアルタイル」を表し、中国ではベガを「織女星」、アルタイルを「牽牛星」と呼んでいます。
国民の祝日ではない
江戸幕府では五節句を式日に制定していましたが、明治時代に出された五節句廃止令により廃止されてしまったため、七夕の日は国民の祝日ではありません。旧暦から新暦に切り替わっても、日付はそのままで行事は行われており、大衆化されたことで現在でもその風習は残っています。
七夕祭りが各地で行われる理由
七夕の時期に合わせて、全国各地で七夕行事が開催されています。それぞれの地域や祭りごとに異なりますが、七夕祭りの起源は農耕文化が関係しているとされています。旧暦の7月7日頃が稲の開花時期にあたり、害虫や風水害に悩まされる時期でもあったため、祭りで秋の豊作を願ったのが始まりといわれています。
七夕には伝統的によく食べられてきた食べ物が3つあります。それぞれの行事食の意味合いも詳しく紹介します。
ちらし寿司
織姫と彦星の再会を祝い、具材1つひとつに縁起の良い意味が込められた、ちらし寿司を七夕に食べるようになったとされます。ちらし寿司には、長寿の願いが込められた「海老」や将来を見通せる「れんこん」が使われています。ほかにも三つ葉や錦糸卵、にんじんなど、お祝いにぴったりの色とりどりの食材も用いられています。
そうめん
そうめんが食べられるようになったのは、もともとは中国の「索餅」という小麦粉でできたお菓子が起源とされています。7月7日に索餅を食べると一年間無病息災で過ごせるという言い伝えがあり、病除けの意味が込められていました。そうめんを天の川や織姫の織り糸に見立て、食べられるようになったという説もあります。
かりんとう
かりんとうはそうめんと同様に、「索餅」が起源の食べ物で、麦のねじり菓子を供えるようになったところ、祟りが起こらなくなったことから食されるようになったといわれます。日本ではかりんとうがそうめんに変化していきましたが、現在でも七夕にかりんとうを食べる風習があります。
古くから食べられてきた伝統的な食事がある一方で、近年ではアレンジを加えた斬新なレシピも増えており、子どもたちも楽しめる料理になっています。
オクラの冷製スープ
切り口が星型で、七夕に食べると縁起が良いとされるオクラを使ったレシピに「オクラの冷製スープ」があります。鰹だしと薄口しょうゆ、塩を混ぜたスープに、熱湯でくぐらせた小口切りのオクラを入れて、氷水で冷やしてから食べる簡単レシピです。オクラは夏バテ防止にも最適な食材でもあるため、厳しい夏を乗り切る願いが込められています。
キャラ弁風ちらし寿司
定番料理であるちらし寿司も、キャラ弁風にすることで、子どもが喜ぶ一品料理になります。ちらし寿司を盛り付けた横に、ハムやうずらの卵、のりなどを使った織姫と彦星のイメージキャラや、星型にくり抜いたり、天の川を模したりした食材を飾るだけで、華やかでかわいらしいちらし寿司が出来上がります。ちらし寿司だけではなく、そうめんなど他の料理にも応用できるでしょう。