収入を増やしたい、空いた時間を有効活用したいと思っている人のなかには、本業以外にも副業・ダブルワークに取り組んでいる人もいます。それでは派遣社員として働く場合、副業のような仕事の掛け持ちは可能なのでしょうか。
今回は、派遣でも副業やダブルワークはできるのか、またメリットや注意点についても紹介します。
就業規則で副業・ダブルワークを禁止する企業はありますが、雇用形態に関わらず、副業をすることは法律では禁止されていません。正社員と比較して、柔軟な働き方ができる派遣社員は、労働時間外は契約上自由に過ごして良いとされており、アルバイトのように複数の仕事を掛け持ちすることも可能です。
しかし、派遣元の派遣会社によっては副業を禁止している場合もあるので、就業規則で副業の可否を事前に確認しておく必要があるでしょう。
厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
派遣社員が副業やダブルワークをするメリットをご紹介します。
収入が増加する
ダブルワークを行うと全体の労働時間は延びますが、その分収入源が複数になるので、自由に使えるお金が増えるメリットがあります。生活費や趣味、お小遣い、旅行、老後の預貯金など、副収入をさまざまな用途に充てることができます。
週2〜3日勤務や時短勤務のように、ライフスタイルや希望に合わせて、シフト調整がしやすい仕事であれば、体力的にも精神的にも、無理なく続けることが可能でしょう。また、所得が増加することで、精神的な安定にもつながるといった意見もあるようです。
スキル取得や気分転換のメリットもある
本業とは異なる業種を経験することで、新たなスキルや経験、今までとは違った視点が得られることがあります。
単発や複数回の就業であっても、その経験は自身のアピールポイントとなるので、キャリアの幅も広がるでしょう。副業であれば、趣味や特技を活かした仕事が見つかる可能性があり、長年やってみたかった職種にチャレンジする機会が得られるかもしれません。
また業務内容や周囲の環境が異なるため、日々新鮮な気持ちで取り組むことができ、気分転換にもなります。本業での失敗やストレスが消化しきれないこともあるなか、本業後のダブルワークで気持ちが切り替えられる方も多いようです。
メリットの多い副業・ダブルワークですが、派遣会社によっては制限がある場合もあります。ダブルワークの注意点として以下を紹介します。
就業規則で禁止されていることがある
法的な制限はないものの、就業規則によって他社での就業を禁止している派遣元もあるので、掛け持ちが可能かどうか、まずは派遣会社に確認しましょう。何かしらトラブルがあった場合に、それぞれの職場で迷惑をかけないためにも、ダブルワークのことは伝えることがおすすめです。
なお、同じ派遣会社でダブルワークを行う場合、1日8時間、週40時間の就業を超えて働いてしまうと、派遣会社が割増賃金を支払う必要があるため、その点は注意が必要です。
出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制わかりやすい解説」
出典:厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」
確定申告漏れが起きやすい
2ヶ所以上の事業所で就業する場合、確定申告は自分自身で行う必要があります。1ヶ所の事業所でダブルワークを行っている場合は、年末調整で対応してもらえますが、年末調整は1か所でしか受けることができません。他の会社の分は源泉徴収票を受け取り、記入漏れのないよう期日までに確定申告を行いましょう。