ラウンダーというと、家電量販店やドラッグストアでの仕事と思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そのイメージは確かに間違いではないのですが、ラウンダーの仕事はそれだけはありません。
書店を中心に新刊本や雑誌、専門書、さらに文具などのプロモーションをおこなう仕事もあるのです。
そこで書店のラウンダー業務の特長やメリットなどについてご紹介していきます。
また本好きの方で書店のラウンダーとして仕事をしてみたいと考えている方のために気になる収入面についても合わせてお伝えしていきます。
書店ラウンダーについてご紹介する前に一般的なラウンダーの業務についてご説明します。
ラウンダーの業務は自社の商品を販売している量販店や営業店舗に定期的に訪問して、商品棚に陳列されている商品を効果的にレイアウト変更やPOPと呼ばれる販促ツールを効果的に張り付けたりします。
売り場を自社に有利に作り変えることで、売上アップを狙うのがラウンダーの主な役割です。
また、各店舗の責任者の方に新商品の案内や提案をするほか、既存商品の補充や新商品の陳列などの売り場のメンテナンス、現場で実施される販促キャンペーンなどの店頭イベントの実施をラウンダーが中心になっておこなうこともあります。
さらに店舗の責任者から商品についての質問や要望を受けたりもします。
一般的にラウンダーが活躍するフィールドは家電製品や化粧品、医薬品などが多く、実際に応募可能な求人案件もそのような分野の商品が多いのが特徴です。
またパートタイムや派遣社員としてお仕事をこなす場合が多いですが、中には正社員の求人もあります。
どの業種であれほとんどの場合は1日に訪問する店舗数はおよそ5、6件で無理なく巡回できますし、訪問先は郊外にあることが多いため、車での移動が中心となります。
パート勤務の場合、現場となる店舗には直行直帰での訪問となり、1週間に巡回する訪問先や訪問の順番などについてもある程度の裁量があります。
万が一子供が熱を出して家を空けられないといった場合や急な用事ができても融通が利くのもラウンダーの特長です。
書店のラウンダーといっても、基本的な業務は他の業種のラウンダーと仕事内容や仕事の進め方はとても似ています。
書店のラウンダーの多くは、自分が担当する書店を訪問して売り場管理のほか、自社の書籍の在庫状況確認や欠本補充、書店への新刊の情報提供などがメインのお仕事になります。
書店のラウンダーの場合、大きく分けて出版社や書店に直接雇用される場合とラウンダー専門の派遣会社に雇用され、その会社が委託を受けている出版社の書籍について書店で売り場管理をするケースがあります。
いずれにしてもだれよりも早く最新の小説や雑誌、専門書、コミックをチェックし、その魅力をプロモーションできるので本好きにはとても魅力的な仕事ではないでしょうか。
想定される読者層に対して自分なりの工夫を加え、著者の魅力やストーリー展開などについて効果的なPRをおこなえば、十分売り上げアップにつなげることが可能なポジションです。
自分が立案したプロモーションがヒットすれば、仕事を超えた喜びを感じることもできるでしょう。
書店ラウンダーにおける業務の難しさとして挙げられるのが、幅広いジャンルの書籍を取り扱う可能性がある点です。
中小の出版社に直接所属するラウンダーの方の場合はそれほどでもありませんが、大手出版社やそのような大手出版社の代わりに販促活動をおこなう会社に所属するラウンダーの場合、様々な書籍のプロモーションを担当者として進めていくことになります。
取り扱う書籍のジャンルについては所属する会社が取り扱う出版物にもよりますが、例えば、雑誌やコミック、小説、ビジネス書、実用書、参考書、学術書、電子辞書と非常に幅広い書籍を取り扱います。
ジャンルごとにターゲットとなる読者層が大きく異なるため、書店店頭でのPOPや広告作り、PRの方法も取り扱う書籍に合わせた対応が必要になってきます。
また、大学や図書館向けのセールスの場合、相手も専門家であるためにそれなりの知識が要求される場合もあります。
また、ラウンダーとして取り扱う商品には季節によって需要が集中するものも多く、その時期はラウンダーも繁忙期になります。
書店ラウンダーの場合、手帳やカレンダーが季節商材となっているために主に年末と4月にかけての期間が忙しさのピークになります。
手帳やカレンダーはまず10月ぐらいから手帳売り場の立ち上げが始まります。
そこから11月、12月と売上も伸びていきますので、売り場管理や欠品の追加発注などで忙しさが増していきます。
また、4月については新年度や新学期の始まる4月に向けて、1月ぐらいから売り場作りや商品発注などで同様に忙しいシーズンを迎えます。
手帳やカレンダーは出版社にとって、売上に大きく貢献する商品であり、各社様々なデザインのものがその時期に集中して販売されます。
商品の整理整頓だけでなく、在庫確認や欠品のための商品補充など売り場管理の業務も忙しさが増す時期です。
ラウンダーも担当店舗の協力を得ながら売り切ることが必要なので一年のうちで一つの山場となる時期です。
書店ラウンダーが取り扱う書籍は前述のように様々なジャンルに分かれています。
例えば、料理本一つとっても和洋中華のカテゴリーに収まらず、東南アジアやヨーロッパの家庭料理などいろいろな国の料理の本が出版されています。
資格試験の本などについても昨今は様々な資格が登場してきており、それぞれの資格に合わせた対策本などの種類も非常に増えました。
また、昨今のペットブームによって、犬や猫だけでなく、様々な種類のペットに関する本が店頭に並んでいるのをご覧になった方もいるでしょう。
しかし、ユーチューブ動画などで個人が発信した動画で話題になった犬や猫の写真集なども売られるようになっており、本の種類はますます増えていく傾向です。
書籍だけでもかなり多くの種類に分かれていますが、書店ラウンダーとして取り扱う商品は先ほどもご紹介したように手帳やカレンダーもあります。
また大きな書店などではお財布や筆箱などもあります。
これらの商品は購入される客層の年齢や好みによってデザインや価格帯も様々です。
猫ブームなど動物やペットをモチーフにしたカレンダーやオフィス用のシンプルなものまで使われる場所や購入される年齢に応じて変わってきます。
また、プレゼント用の高級万年筆やお財布などもあり、価格帯も様々です。
書店ラウンダーの業務の特長などについてお伝えしてきましたが、書店ラウンダーとして成功するにはどんなことが大切なのでしょうか。
まず、立地や購買層に限らず、成功する上で全般的に言えるのは、時代が求めているものをいち早くキャッチすることです。
そして、そのようにしてニーズをキャッチし、話題となっている書籍やこれから人気が出そうな書籍をある程度限定し、POP広告などで目につきやすいようにプロモーションを仕掛けていきます。
「パワースポット」や「神社巡り」、さらに「ご朱印」などがブームとなれば、関連する書籍を書店の最も目立つ棚に山積みし、POP広告を立てたりすることで売上アップにつながったような事例もあります。
その際、POPの内容にも工夫を加え、見た人に刺さるようなコメントをひと言加えると書籍を手にしてくれる可能性も高くなるでしょう。
例えば、単にご利益のある参拝方法だけでなく、「○○の参拝方法ではご利益が無い」「○○しないとダメ」というように、ある行動を否定したり、限定する内容にするとより強い興味を持ってくれます。
そして興味を持ってくれた人の中にはその先を知りたいとその書籍を手にしてくれる人がいます。
最終的にその何割かの人が会計まで済ませてくれれば成功となるのです。
これは化粧品や健康食品などでもそうですが、「○○はお肌の大敵」「40代の方だけにとっておきの朗報」と否定や限定をされると、単に「○○はお肌に最高」とベタで広告されるよりもずっと心に突き刺さるのと同じ効果を狙ったものです。
書店ラウンダーの気になる収入ですが、パートなどに比べると平均的な時給や日給は高い傾向にあります。
最低でも時給1,000円〜1,200円ぐらいまでは普通であり、会社によっては1,500円以上ないしは日給1万円以上となる場合もあります。
首都圏の大手書店を担当する場合などはさらに高い収入が期待できます。
また、地方都市や地方におけるパート職の収入と比較した場合、書店ラウンダーの収入は総じて高く、同じレベルの収入をパートで得るのは難しいのではないでしょうか。
週5日で働けば、福利厚生などを除いて単純な額面だけで比較すれば地方では正社員の受付業務や簡単な事務職の給与を超えることも珍しくはありません。
書籍好きで高い時給を希望しているなら書店ラウンダーの募集があれば検討してみる価値はあるのではないでしょうか。
書店のラウンダーの仕事は本のプロモーションだけではありません。
中には書籍の売り場管理とは別に、文具の売り場管理を任される場合もあります。
かわいいキャラクターの入った商品からおしゃれな手帳などに常に囲まれて仕事ができるので楽しみながら仕事ができるでしょう。
また、年末には様々なデザインのカレンダーや手帳など季節的な商品も取り扱うので、
文具好きの方なら効果的なPOPを考えるだけでもワクワクする方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、ラウンダーの業務の特長や魅力、難しさから扱う商品や収入面についてまでご紹介してきました。
書店のラウンダーの魅力書店のラウンダーの基本的な仕事内容は他の業種と似ていますが、何よりも最新の書籍や雑誌、文具に囲まれた環境で仕事ができるのが魅力です。
自分なりのアイデアでフェアの企画の立案や実施をし、POP広告作成などを通じて本や文具の魅力を伝えていける仕事が書店ラウンダーの特長といえるでしょう。