日本では古くから、秋に月を眺めて楽しむ「お月見(十五夜)」という行事が現代まで受け継がれています。お月見は家で気軽に満喫できる行事ですので、日々忙しいワーキングマザーも、子どもたちと一緒に楽しめる方法を探してみるのがおすすめです。
この記事では、秋の風物詩であるお月見の由来や風習とあわせて、お子さんと一緒に楽しむ方法を紹介します。
伝統行事であるお月見は、平安時代に中国から伝わったとされる風習で、秋のイベントとして庶民が十五夜を楽しむようになったのは江戸時代からといわれています。
2023年の十五夜は9月29日(金)となりますが、お月見は月の満ち欠けをもとに旧暦で行う行事のため、毎年十五夜の日付は異なります。旧暦(354日)と新暦(365日)では1年の周期が違うので、現在の暦とはズレが生じ、9月7日から10月8日頃に満月となる夜を十五夜と呼んでいます。
また、月にうさぎがいる由来は仏教説話「月うさぎ伝説」がもととされており、うさぎが餅をついているといわれるようになったのは、日本で満月を意味する「望月(もちづき)」や中国で不老不死の薬を月のうさぎが作っていると伝えられていることから、餅つきになったとするなど、さまざまな説があります。
お月見に欠かせないお供え物や伝統的な風習を紹介します。
ススキ
ススキの切り口は鋭いことから、災いや邪気を祓う魔除けの意味を込めて、また秋に収穫する稲穂に見立てて翌年の豊作を願って、お供え物として飾るようになったといわれています。お月見の後には、水田や軒先、庭などに吊るしておく風習が今なお残っている地域もあります。
月見団子
無事に収穫できたことへの感謝と次の季節の豊作を祈願して、月に見立てた丸い月見団子をお供えします。団子の数や積み方には決まりがあり、十五夜では15個の月見団子を下から 9個、4個、2個とピラミッド状にして高く積み上げて飾ります。団子の先端が霊界に通ずると考えられていたようで、飾る場所は月がよく見える窓際や縁側、床の間などがベストとされています。
農作物
中秋の名月は、「芋名月」という別名があるように、稲作以前に主食とされてきた芋類を供えて、収穫の感謝や豊作の祈りを捧げてきた頃の名残だと考えられています。秋の収穫物である里芋や粟、枝豆、ブドウなどをお供えし、月見団子とともに食べて、健康や幸福を祈願します。
お月見泥棒
今では見られなくなった地域もありますが、全国各地で「お月見泥棒」という風習が現在も残っている地域があるようです。お月見泥棒とは、十五夜のお供え物をこっそりとっても良い、もらっても良いとする独特な風習です。特に、月の使いとされた子どもにお供え物を持っていかれた家は縁起が良く、豊作になると喜ばれていました。
小学生のお子さんも楽しめる、家族でできるお月見の現代風アレンジ方法を紹介します。
お月見団子の手作りやアレンジ料理
お店で買った色とりどりの串団子や伝統的な月見団子も良いですが、お団子の手作りセットを使って、あんこやみたらし、磯辺焼き、柏餅、カボチャを加えた団子など、家族でアレンジしながら楽しめる十五夜にぴったりの団子レシピです。メイン料理には、お月見を連想するうずらの卵入り肉団子や月見ハンバーグ、月見そばなどもおすすめです。
うさぎのインテリアを飾る
家にある身近なもので作れるお月見飾りを工作して飾るのも、季節を感じながら楽しめる遊びです。折り紙やペーパーナプキン、画用紙などを使って、うさぎや月、ススキ、お団子を型どって作る吊るし飾り。卵に紙の耳や前足を貼り付けて、油性ペンで顔を描いて作る卵のうさぎなどで部屋を飾る方法もあります。
また、うさぎのインテリアがあればススキや月見団子などとともに飾るだけで、よりお月見の雰囲気が演出できるでしょう。
伝統に則ったお月見も風流ですが、時代に合わせてアレンジした十五夜も、家族でワイワイ楽しめる十五夜になるのではないでしょうか。ぜひ一手間加えたアレンジ方法で、子どもと一緒に秋の夜長を照らす美しい満月を堪能しましょう。