専業主婦の方にとって、気になることが多いのは老後の生活です。
現在は旦那さんに十分な収入があって生活に困ることはなくても、旦那さんが定年を迎えた後は現在の生活を続けられるとは限りません。
今回は老後の生活とお金のことについてご説明していきます。
老後に安心して生活できるだけの貯金をしていれば、専業主婦でいられるということになります。
旦那さんの年収を元に65歳で定年を迎えるまでに、いくら貯金ができるかどうかシミュレーションしてみましょう。
旦那さんの年収額が560万円、現在の貯金額は40万円で、3歳と0歳の子供がいて、東京都内の持ち家に住んでいると仮定します。
住宅ローンを毎月14万円ずつ返済しており、33年残っています。
金額にすると約4,500万円です。
子供2人を公立幼稚園に入れても、生活費は月に8万円ほどかかります。
帰省費に年間2万円程度かかり、双方の両親4人の介護費も考慮しなければなりません。
また、他の固定費として年間10万円程度かかるものとしておきましょう。
そうして計算すると、65歳時点で2,144万円の貯金が貯まります。
一方で、老後に安心して生活できるとされる貯金額は3,000万円です。
だいぶ足りないということになるでしょう。
老後の生活でどのくらいのお金がかかるのかどうかも見ていきましょう。
高齢になると身体機能が衰えてきて、病気などにかかりやすくなってきます。
現在はほとんど病気をせず元気な人でも、定年退職するくらいの年齢になると、病院通いが当たり前になることが多く、医療費の支出が現在よりも増えてきます。
子育てが終わり子供が独立することで、子供にかかる費用がなくなります。
住宅ローンも支払いを終えているので、住居費は大幅に減るでしょう。
夫婦2人で食費が約7万円、光熱費と雑費がそれぞれ2万円、医療費が15,000円、娯楽費と交通費がそれぞれ3万円程度と想定できるでしょう。
1ヶ月にかかる生活費の合計額は約185,000円ということになります。
一方で老後の主な収入源である年金は、平成28年度の厚生労働省の調べによると、厚生年金なら平均14.7万円です。
また、専業主婦の場合には国民年金のみであるため、受給できる年金額は約5.5万円として考えましょう。
旦那さんと合計すると202,000円になるため、1ヶ月の生活費は賄えるもののギリギリの生活になってしまいます。
旦那さんが65歳になった時点での貯金の見込み額が3,000万円未満の場合には、専業主婦のままでいるかどうか考え直したほうがいいかもしれません。
専業主婦の場合、収入を得られないばかりでなく老後に受け取る年金も少なくなってしまいます。
子供が小さいうちは難しいかもしれませんが、子供が少し大きくなったら働き始めたほうが安心です。
できれば厚生年金に加入できる条件で働くのがいいでしょう。
貯金額が増えるだけでなく、老後に受給できる年金額も増えます。
また、これまで旦那さんが65歳まで正社員として働き続けることを想定して、老後のお金のことを考えてきました。
しかし、旦那さんが必ず65歳まで正社員として働けるとは限りません。
景気の動向などによっては、早期退職を迫られる場合もあります。
定年が早まる可能性もあるでしょう。
仮に60歳で退職したと仮定した場合には、65歳になって年金を受給するまで無収入の期間が5年間も続いてしまいます。
その5年間は貯金を取り崩して生活することになるでしょう。
65歳になったときの貯金額はさらに少なくなり、老後は厳しい生活を強いられるかもしれません。
そのようなことを避ける意味でも、働きに出たり公的年金とは別に準備することがおすすめです。
老後の生活とお金のことについてご説明しました。
旦那さんが平均的な収入の家庭で、ずっと専業主婦のままでいると、老後の生活費が足りなくなってしまう可能性が高いです。
貯金を増やす意味でも、将来の年金受給額を増やす意味でも、専業主婦よりはなるべく働きに出ることで安心しく老後を迎えられます。